マンガ表現学入門オンラインブックダウンロード
マンガ表現学入門
によって 竹内 オサム
4 5つ星のうち(2人の読者)
マンガ表現学入門オンラインブックダウンロード - 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 竹内/オサム 1951年、大阪生まれ。同志社大学社会学部メディア学科教授。専攻は、マンガ史、児童文化。個人で研究誌『ビランジ』を発行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
マンガ表現学入門の詳細
本のタイトル : マンガ表現学入門
作者 : 竹内 オサム
ISBN-10 : 4480873473
発売日 : 2005/6/24
カテゴリ : 本
ファイル名 : マンガ表現学入門.pdf
ファイルサイズ : 24.53 (現在のサーバー速度は29.95 Mbpsです
以下は マンガ表現学入門 の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
星三つのレビューだけでは、本書の評価としてあまりに残念なので、一言述べます。いわゆる「マンガ表現論」というムーブメントは、絵画や小説や映画とはちがって漫画には漫画の独自表現方法があるはずだから、それを明らかにし、そのうえで漫画を批評していこう、というような立場です。1995年に刊行された夏目房之介ら編『マンガの読み方』(別冊宝島)、四方田犬彦『漫画原論』(筑摩書房)から大々的に始まった観があり、その後、伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド―ひらかれたマンガ表現論へ』(2005年・NTT)などの話題の本を生み出しました。 本書の著者・竹内オサムは1980年代からながらく児童文化や漫画研究を牽引してきた研究者で、本書は、マンガ表現論のこうした興隆を好意的に受け止めたうえで、それ以前の表現論的研究も踏まえ、自分の理論を提起している本です。 本書でトピック的に面白いのは、まず、手塚マンガに対して言われてきた「映画的手法」についての、宮本大人との論争です。映画的手法とはおそらく、奥行きのある構図、連続的運動性、クロースアップ、場面転換、視線の同一化、などの諸相があるはずですが、竹内=宮本の論争は、特に視線の同一化に限定されて論争が行われています。この件は後に別の人も加わって口汚い悪口が交じった論争に発展していってしまうのだが、論点自体は非常に面白いものです。論点だけとりだし冷静に議論していくべき、価値ある問題です。 あるいは、伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』によって提唱されたキャラクター/キャラの区別に関しても、竹内は、それを通時キャラ/共時キャラと呼びかえて、この問題に独自に取り組んでいる。人はなぜ、たんなるインクの染みに顔を見出だし、感情移入までするのだろうか?そういう根源的な問題に踏み込んでいるわけですが、これもまた、まだ解決しているわけではない。(これらは竹内『本流!マンガ学』(晃洋書房)で展開されています)。 本書には、マンガのしくみのさまざまのヒミツがとりあげられており、マンガ表現論が考えるべき、さまざまな、無限なほどのテーマがあることがわかります。ところが、本書は掘り下げが浅いとか、ことさらに見下されているような扱いをうけています。これは研究にとって、よくない傾向です。 竹内オサムが、手塚好きで、手塚至上主義的なのは、たしかだだろうが、それは別に悪いことではない。研究者に作家の好き嫌いがあってはいけない、なんてことは無いのです。それにまあ手塚のマンガ表現は、たしかに処々で画期的なのです。ここで指摘された論点を、表面的に批判・無視するのでなく、丁寧に論理を吟味していくことが、いまでもマンガ表現研究には望まれるはずです。 めんどうなことは言わずにただ今あるマンガを肯定していたいだけの人は、確かに本書を読む必要は無いし、そもそもマンガ表現のしくみに興味を持つ必要も無いでしょう。また、手塚ばっかり誉められて自分の好きな作家がけなされているようで気に入らないひとは、手塚至上主義者を批判するよりも、自分のすきな作家や表現を肯定していくコトバ・論理を持つ、持とうとすることそが生産的だと思いますけど、どうですかね。
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