学んでみると遺伝学はおもしろい (BERET SCIENCE)本無料ダウンロード
学んでみると遺伝学はおもしろい (BERET SCIENCE)
によって 針原 伸二
4.6 5つ星のうち(1人の読者)
学んでみると遺伝学はおもしろい (BERET SCIENCE)本無料ダウンロード - 内容紹介 親と子が似ている、犬が産むのは犬の子どもで猫ではない、というのはあたりまえのように思われていますが、なぜそうなるのでしょうか。今でこそ、DNAという言葉がふつうに使われていて、「同じDNAを持つから」ということで理解されていますが、そのDNAはどのように親子の間で伝えられていくのでしょうか。本書では、遺伝の法則、DNAとは何かなど、そのメカニズムはもちろん、“なぜ男と女に分かれているのか"“遺伝子と病気の関係"や“DNA鑑定"などについてもやさしく丁寧に解説していきます。 内容(「BOOK」データベースより) 本書では、遺伝の法則、DNAとは何かなど、そのメカニズムはもちろん、“なぜ男と女に分かれているのか”“遺伝子と病気の関係”や“DNA鑑定”などについてもやさしく丁寧に解説していきます。通読できてよくわかる、遺伝学の入門書。 商品の説明をすべて表示する
学んでみると遺伝学はおもしろい (BERET SCIENCE)の詳細
本のタイトル : 学んでみると遺伝学はおもしろい (BERET SCIENCE)
作者 : 針原 伸二
ISBN-10 : 4860643887
発売日 : 2014/3/24
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 28.34 (現在のサーバー速度は25.67 Mbpsです
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本書の著者は「人類遺伝学の研究、特にミトコンドリアDNAから見た日本人の起源に関する研究」を主として、「法医学」(DNA鑑定)にも造詣が深い経歴を持っている(「はじめに」より)。このため、本書の趣旨は「遺伝の法則、DNAとは何かなど、そのメカニズムはもちろん、“なぜ男と女に分かれているのか”“遺伝子と病気の関係”や“DNA鑑定”などについてもやさしく丁寧に解説」(このページの上の方にある「商品の説明」より)するものであるが、内容面から観るとDNA(染色体・遺伝子)の仕組み・機能や遺伝病、DNA鑑定等が主要トピックとなっている印象がある。構成・内容は、古典的な遺伝の基本であるメンデルの法則から始まって、DNAの基本構造、染色体、性別、性染色体とミトコンドリア、遺伝病の原因、DNA鑑定、DNA解析による進化論(分子進化学の基礎)など、合計10章からなる。論述は概ね、基本的な解説から応用的またはレベルを上げた解説を、イラストや図表等を多用しながら展開していくが、ページ数の都合からかやや抽象性(難度)の高い論述も散見される。例えばDNA複製プロセス、タンパク質の合成過程などは(私には)多少高度と感じられる。またDNA暗号表(コドンとアミノ酸対応表)や有性生殖の減数分裂などの解説も、難度の高いトピックかと思量する。この辺りはむしろ『分子からみた生物進化 (ブルーバックス)』や『有性生殖論 (NHKブックス)』辺りが詳しいので、時間のある方には併読をお薦めする(但し後者の各論の難度は高い)。一般に学術関連書籍では、トピックによる難度の高低のあることは紙面の都合上仕方がないだろう。余談だが、常々疑問に思うことが1つある。本書に限らず“一般論”として取り上げるが、メンデルの遺伝の法則の解説では「優性の法則」として、凡そ丸豆と皺豆(緑豆と黄豆)を第1世代(親)、その掛け合わせで得られる豆を第2世代(子)、更にその掛け合わせで得られる豆を第3世代(孫)として、各世代で誕生する豆の発現形質の比率を取り上げる(本書では10〜21頁)。この時の形質(丸・皺や緑・黄など)の遺伝子として、優性を“A”、劣性を“a”等として、“AA”(優性ホモ)ないし“Aa”(ヘテロ)では優性形質が発現し、“aa”(劣性ホモ)の組合せでは劣性形質が発現すると説明される。問題はかかる事例の解説では、必ず第1世代(親)の遺伝子組合せが丸豆(緑豆)として“AA”(優性ホモ)を、皺豆(黄豆)として“aa”(劣性ホモ)をモデルとしていることである(劣性形質はホモ接合“aa”でのみ発現するので右以外に採り得ない)。しかし、メンデルの時代ではいまだ遺伝子自体が発見されていないし解析技術もないのに、外観上いかにしてメンデルが第1世代の、特に優性形質の固体の丸豆(緑豆)をホモ接合の“AA”として区別または設定しえたのか?という解説・経緯説明のないことを、常々疑問に思っている。本書でも当然のように、(無条件で)第1世代は優性のホモ接合“AA”と劣性のホモ接合“aa”の組合せである(16・20頁)。メンデルにDNA解析技術があったはずはないので、少なくとも優性形質の固体は“外観”で判別するしかない以上、第1世代の優性形質の固体(丸豆・緑豆)には、ヘテロ接合の“Aa”の可能性(余地)もあったはずである。DNA解析技術がない以上、第1世代の優性形質の固体の遺伝子組成は、第2世代が誕生するまでは不明である。仮に第1世代の優性・劣性形質の固体が各ホモ接合ならば、第2世代は全て優性形質の固体となるが(メンデルの優性の法則:11〜13頁)、優性形質の固体がヘテロ接合“Aa”であった場合、第2世代は“Aa”、“Aa”、“aa”、“aa”となり、2/4の統計的確率で第2世代にも劣性形質の固体が発現するはずである(下記参照)。(1) “AA” + “aa”→“Aa”・“Aa”・“Aa”・“Aa”ー第2世代(子)は全て丸豆(緑豆):本書14〜17頁(2) “Aa” + “aa”→“Aa”・“Aa”・“aa”・“aa”ー第2世代(子)は丸豆(緑豆)と皺豆(黄豆)が2対2とすればヘンデルは優性の法則を立論するにつき、何故に第2世代は全て優性形質が発現するという(別言すると優性形質の固体の第1世代をホモ接合“AA”のみに限定する前提条件で)結論(上記1のモデル)を採ったのか、何故に(優性の“第2”法則として)、優性形質と劣性形質の発現が第2世代では同率(2:2)になることもあるとする立論(上記2のモデル)も採り得なかったのか?ーーという疑問に答える書籍に私はまだ出会っていない。余談が長くなったが、全体的に本書は遺伝学と言うより、DNA(遺伝子)学といった方が相応しく、初歩的解説からある程度難度を上げたトピックまで幅広く、イラストや図表により読者層も初学者を意識した構成になっている。私でも読み通せたので、文系読者にも困難はないと思う。
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